その後すぐお見合いなさった方は東京芸大卒の音楽家の方でゆったりとした優しい方だったようです。3ヶ月ほど楽しい交際が続きG男さんはお相手のご両親へご挨拶にいらっしゃったようです。
お二人の中では殆んどご結婚のお気持ちも固まって準備を進めようという時でした。
驚くことにご挨拶の翌日、女性から「お断り」のご連絡をいただいてしまいました。
理由をお伺いするとご両親様が「会社経営の方はいつどうなるか分からない。もう少し安定した方との結婚して欲しい。」と仰ったそうなのです。
愕然とする気持ちを何とか立て直してG男さんにお伝えいたしました。
コンシェルジュのお仕事の中で一番辛く苦しい時です。
「僕の不徳の致すところです。そうですよね。僕も親だったらそう思うでしょう。」と仰るG男さんに
「どんなに大きな会社でもたとえ公務員の方でもいつどうなるかは分からないと思うのですが・・・。」
「どんなことがあっても彼なら信頼してついていける。と思うことから愛情が育っていくのではないでしょうか?」とうろたえながら訴えるコンシェルジュ。
まるで立場が逆になってしまいましたがしばらくお話してお帰りになる後姿は寂しそうでした。
またG男さんの笑顔を見たいと思う気持ちで一生懸命お相手を探しました。
次に交際になった方も音大卒のピアノ講師の方でした。
結婚もお考えでご両親ともお会いしたようでしたが些細な行き違いでこの交際は白紙に戻りました。
申し訳なくて恐縮しているコンシェルジュに「大丈夫ですよ。気長に探します。」と笑ってくださる優しいG男さんでした。
・・・・to be continued