半月ほど経ったある日何事もなかったようにI男さんがご来社になりました。
「お見合いのお申し込みをいただいた方とお会いしてみたい。」と言うことでした。
お相手の女性は今までI男さんがお選びになった方とは違った地味なタイプの方でしたが優しそうな暖かい雰囲気の方でした。
お見合い当日の午後遅くI男さんは嬉しそうにオフィスにいらしてくださいました。
女性はお会いしている間ずっとI男さんのお話を楽しそうにニコニコと聞いてくださり、一人千円ほどのティーラウンジでのお茶代もお支払いになろうとしたそうです。
来週末には映画を見に行くお約束も出来たようした。
「時間を掛けて丁寧に付き合ってみようと思います。」と仰るI男さんを見送りながら「今度は決まるかもしれない。」と思いました。
その後2ヶ月ほど経ったある日、I男さんから「指輪はいくら位の物をどこで買えば良いでしょうか?」「結納は?」というお問い合わせのお電話をいただきました。
弾む気持ちを抑え切れずに大きな声でお話していると「華やかな美人ではないけれど一緒にいると幸せなんです。喜んでくれて嬉しいです。ご迷惑をおかけしましたから。」と・・・・。
ご挨拶にいらした時のI男さんはご入会の頃の雰囲気とは別人のようにご立派になられて自信に満ち溢れていらっしゃいました。
きっと優しく暖かいフィアンセがI男さんにお幸せを下さったのでしょう。
仄々としたお2人の雰囲気はおかえりになった後もコンシェルジュを幸せな気分にしてくださいました。
そして派手ではないけれど控えめで美しいフィアンセに心の中でお礼を言いました。
・・・・end